<竜巻>車は横転、電柱折れ… つくば・北条地区
毎日新聞 5月7日(月)22時23分配信
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| 竜巻とみられる突風で吹き飛ばされたがれきの中、被害者が残されていないか捜索する自衛隊員ら=茨城県つくば市北条で2012年5月7日午前11時、本社ヘリから |
茨城県つくば市など同県と栃木県を襲った竜巻の影響は一夜明けた7日も続いた。がれきの山となった家屋、長引く停電……。昨年の東日本大震災の被害を思い起こしながら、住民たちは復旧への険しい一歩を踏み出した。
つくば市北条地区では7日、前日の荒天から一転して強い日差しが照りつける中、住民たちが汗だくになりながら、壊れた家屋や家財などを黙々と運び、復旧作業に取り組んでいた。
午前11時、地区を東西に走る北条商店街では道路に人があふれ、復旧作業のトラックや車で大混雑。電柱は傾き、電線にはビニールが引っかかり、曲がった看板が垂れ下がる。北東方向に細い道を歩くと、泥まみれになった乗用車が横転し、食器用洗剤のプラスチック容器が転がっていた。
「直したばっかりの屋根が、また壊れてしまった」
同地区に住む星場周一さん(58)は、震災で被災した自宅の屋根を昨年12月に修理したばかりだった。しかし、6日の竜巻で瓦ぶきの屋根ははがれ落ち、ベランダの窓ガラスはほとんど割れた。自宅前にあった2階建ての車庫兼住宅は土台だけが残り、駐車していた車が庭に横転し、玄関をふさいでいた。
「あっちから竜巻が向かってきて、あっという間だった」。星場さんは自宅から南西方向を指さして振り返った。自宅にいた家族は飛び散ったガラスで手を切るけがをした。「吹き飛んだ建物の中に家族が居なくてよかった」と汗をぬぐい、家族と共に後片付けを続けた。
さらに東に向かうと、電柱が根元から折れ曲がり、道路の向かいにあるブロック塀にもたれかかるように倒れていた。クギや折れた木材がむき出しになり、足元に垂れ下がった電線が危ない。道をふさぐ電柱をくぐり抜けると、屋根が完全に吹き飛ばされてしまい、全てのガラスが割れた家がぽつんと取り残されていた。
散乱した木くずを踏むバリバリという音と、ガラス片を片付ける際に生じるガシャンという音だけが辺りに響く。家の前で倒れた庭の木を片付けていた女性は、手に持ったのこぎりで裏返った自家用車を指し「車のガソリンだけは消防の人が抜いていった。最初の車検もまだだったのに」とつぶやいた。
昨年の震災で、記者は北茨城市にある大津漁港の津波被害を取材した。全半壊した住宅から内陸にわずか数十メートル離れているだけで、壁に傷一つ無い住宅が建ち並んでいたのが印象的だった。今回、北条地区で竜巻被害で全半壊した住宅は、あの時の津波被害を思い起こさせた。「どの地域にも起こりうる」。大きな恐怖を感じた。【佐久間一輝】

